最近話題の「ChatGPT」に興味があり、仕事への活用を検討している人も多いでしょう。しかし具体的な活用方法が分からず、どのような業務に導入できるかイメージできないと悩んでいる人もいるはずです。

そこで本記事では、ChatGPTでできること、活用できる業務についてご紹介します。現段階で本格導入が難しい理由や、今後の付き合い方も解説しますので、新技術の現状を詳しく把握していきましょう。

ChatGPTでできること

AI技術を研究するOpenAIの「ChatGPT」は、昨年末から非常に注目が集まる対話側AIツールです。非常に進化が速いAIの領域ですが、現時点でChatGPTが得意とする項目について確認していきます。

1・質問に対する答えの提示

ChatGPTは、ユーザーが入力した「質問」に対して正しいと思われる「答え」を提示してくれます。

従来、調べものをする際にはGoogle検索、Yahoo検索といった検索機能を利用するのが一般的でした。また、検索した結果の中から、自身で目的の内容を探し出し、情報の正しさを判断する必要があったでしょう。

一方で、ChatGPTは、質問した内容に対して、ビッグデータに蓄積された情報から正しい情報を要約して提示してくれます。一般的な検索と違い、質問に対する答えを提示してくれるため、自身で大量の情報を比較する必要がなくなるのです。

2・説明や文章の執筆

ChatGPTは、説明や文章の執筆を得意とします。

たとえば「〇〇について説明して」と指示を出せば、その内容に沿う文章を書き出してくれます。また、より具体的に指示したり、条件を設定したりすると、細かいニュアンスを読み取って、まるで人間が書き上げたような文章を作り出してくれます。

ChatGPTが書く文章は、見出しが表示されたり、要点を箇条書きでまとめてくれたりと、読み手側が理解しやすいのが特徴です。誰かに「ある内容」を説明できずに困っているのなら、ChatGPTを活用してみてはいかがでしょうか。

3・プログラミング言語のコーディング

ChatGPTはプログラム言語のコーディングを指示できます。

JavaやC++、Pythonといったさまざまなプログラム言語はもちろん、HTML,CSSといったマークアップ言語にも対応可能です。「こういった表現がしたい」と具体的に伝えると、コードを提案してもらえるほか、自身が書いたコードのミスや改良案を提案してもらえます。

また、プログラミング初心者のサポートツール、エラー発生の原因究明ツールとして利用できるのが魅力です。ChatGPTは、実際にコード画面で提案してくれるため、そのコードをコピペしてテストできます。

ChatGPTを活用できる仕事とは?

ChatGPTは、仕事に活用できる便利なサービスとして話題になっています。現段階でどのような仕事に活用できるのか、参考例を3つ見ていきましょう。

小説家や音楽家といったアーティスト

ChatGPTは、指定したキーワードに関連する情報や文字列を、アイデアとして提案してくれます。たとえば、小説家や音楽家はChatGPTを活用することで、読みやすい文章や歌詞を生み出すことが可能です。

まずは、自身で小説用の文章や歌詞案を作成します。その内容をChatGPTのメッセージ欄に記載し「記載した内容をベースに文章案(歌詞案)を作ってください」と指示をするだけで、即座にアイデアを提案してくれるのが特徴です。

また、具体的な文章や歌詞を使わずとも、キーワードを並べて指示するだけで、文章や歌詞を作り出してくれます。chatGPTは、アイデアやキーワードが思い浮かばず困った際のサポートツールです。第二の脳として、良いアイデアを提案してくれるでしょう。

キャッチコピーや記事を生み出すライター

ChatGPTは、ライターとの相性が良いツールです。たとえば、読者の心に刺さるキャッチコピーのアイデアや、リサーチに時間のかかる記事構成を即座に提案してくれます。また、記事全体の流れを作るだけではなく、実際に各項目の執筆を指示することが可能です。

ChatGPTを活用すれば、提案してもらったキャッチコピーをブラッシュアップして活用できます。また、作りたい記事をすべてChatGPTに書き上げさせて、装飾や文章の調整を自身で行うなど、時間のかかるライターの業務を効率化してくれるのが魅力です。

システムやツールを作るプログラマー

ChatGPTは、多種多様なプログラム言語、マークアップ言語に対応できることから、コーディングを行うプログラマーとの相性が良いツールです。

作りたいシステムやツールのフレームワークを提案させたり、動作エラーのチェックに必要なデバッグ作業を指示したりと、専門知識が必要なプログラミング作業を効率化できます。また、何万行も記載が必要なコーディングをチェックさせ、無駄のないコードへと変更することも可能です。

ChatGPTは過去の事例・データをもとに、プログラミングをサポートしてくれるため、初心者から上級者の目的に添って、幅広いサポートを行ってくれるのが魅力です。

学術研究

期待値の高い領域に学術研究が挙げられますその理由としては、作成した文献のレビューであったり、類似する研究論文を即座に探すことができたりと、研究活動における手間のかかる工程を一手に引き受けてくれる可能性を秘めています。ただし、現状では論文作成までは認められていないケースが多く、今後の展開に注目されます。

ChatGPTを本格導入できない理由

便利に活用できるChatGPTですが、まだ始まったばかりのツールで、現状は仕事に本格導入することはおすすめしません。次に、ChatGPTの本格導入を様子見すべき理由を2つご紹介します。

間違った答えが返ってくる場合がある

ChatGPTに質問や指示を行った際、必ず正しい答えが返ってくるわけではありません。極端な例ではありますが、参考として次のような返答が返ってくる可能性もあるのです。

  • 【質問】りんごの色は? 【正しい答え】赤色 【誤った答え】青色

また、正しい答えを出してくれる場合もあれば、誤った情報が紛れている場合があるなど、タイミングによって、精度が変化することにも注意しなければなりません。ChatGPTから出力された情報をまるごとコピペするのではなく、内容に誤りがないか確認したうえでブラッシュアップを加えて活用しましょう。

読み手が理解しづらい内容で出力される

ChatGPTは、まるで人間が書いたような文章を作り出してくれるのが特徴です。しかし、文章に感情が込められていなかったり、「~ます。~ます。」と同じ文末が連続していたりと、読みづらい内容として出力される場合があります。

提案された文章をそのまま利用すると、読者が読みづらく、可読性を落としてしまう恐れもある状況です。よって、提案された文章をそのまま利用するのではなく、一度人間の手で編集を加える必要があると理解して利用しましょう。

ChatGPTとは今後どのように付き合うべき?

便利な機能を持つChatGPTには利用するメリットがある一方、気を付けて利用しなければならないデメリットもあります。

もし、これから仕事にChatGPTを活用していく予定なら、現段階ではアイデア出しのサポートツールとして利用しましょう。出力された情報は必ず人間の目でチェックしたうえで、ブラッシュアップが必要です。出力された情報をまるごと利用するのはおすすめできないので注意してください。

しかし、ChatGPTは時間の経過に合わせて精度が高まっているのも事実です。定期的なバージョンアップにより、今まで以上に高品質な出力ができるようになるため、AI技術の動向を追っていくことをおすすめします。

ChatGPTについて理解したら他サービスと比較してみよう

アイデア出し、文章作成、プログラミングといった作業をサポートしてくれるChatGPTは、小説家や音楽家、ライター、プログラマーの作業を効率化してくれます。また、注意点などを理解して正しく活用すれば、効率的により良い成果を生み出せるでしょう。

世界中には、ChatGPT以外にも、さまざまなAIライティングツールが提供されています。日々進化を続ける技術のため、他ツールの特徴などを比較しつつ、仕事に活用できそうなサービスを探してみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆

ももひき

ライター

WEBライター(ライティング、編集、構成、SEO対策)やイラストレーター(キャラクター、WEB画像)として活動するフリーランスライター。現在はグルメ・IT・仮想通貨ジャンルを中心に執筆、福岡県で活動中。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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