【注意】 このドキュメントは、W3CのOWL Web Ontology Language Test Cases W3C Recommendation 10 February 2004の和訳です。
このドキュメントの正式版はW3Cのサイト上にある英語版であり、このドキュメントには翻訳に起因する誤りがありえます。誤訳、誤植などのご指摘は、訳者までお願い致します。
First Update: 2005年6月25日 | Last Update: 2005年6月25日
このドキュメントに対する正誤表を参照してください。いくつかの規範的な修正が含まれているかもしれません。
この規範バージョンは、複合形式のドキュメントです。単一のHTMLファイルから成る規範外のバージョンは、3つのサイズで提供しています:中、大、および特大。このドキュメントのテストは規範外の形式でも提供しています:承認済みテストのZipアーカイブ、テスト・ウェブサイト。
翻訳版も参照してください。
Copyright © 2004 W3C® (MIT, ERCIM, Keio), All Rights Reserved. W3C liability, trademark, document use and software licensing rules apply.
このドキュメントは、ウェブ・オントロジー・ワーキンググループによって承認された、ウェブ・オントロジー言語(OWL)のテストケースを含むと同時に提示します。テストケースの多くは、ウェブ・オントロジー言語(OWL)の正しい使用法、およびその構成要素の形式的な意味について説明します。その他のテストケースは、ワーキンググループによって検討された問題の解決について説明します。OWLドキュメントとOWLドキュメントのチェッカーの適合性が明記されています。
このドキュメントは、W3Cメンバーおよび他の利害関係者によりレビューされ、W3C勧告として管理者の協賛を得ました。勧告の作成におけるW3Cの役割は、仕様に注意を引き付け、広範囲な開発を促進することです。これによってウェブの機能性および相互運用性が増強されます。
これは、6つからなるOWL、ウェブ・オントロジー言語のW3C勧告の1つです。2004年2月10日の公開に向けてW3Cセマンティック・ウェブ・アクティビティ(アクティビティ声明、グループ憲章)の一部としてウェブ・オントロジー・ワーキンググループによって開発されてきたものです。
これらのドキュメントの初期バージョンで示されたOWLの設計は広くレビューされており、ワーキンググループの技術要件を満たしています。ワーキンググループは、必要に応じて変更を加えながら受理した全てのコメントに取り組みました。勧告案バージョン以後のこのドキュメントに対する変更の詳細は、変更履歴に記述されています。
コメントは[email protected](アーカイブ)で歓迎され、関連技術の一般的な議論は[email protected](アーカイブ)で歓迎されます。
実装のリストが利用可能です。
W3Cは、この事業に関するあらゆる特許の開示のリストを維持します。
この項は、このドキュメントの公開時のステータスについて記述しています。他のドキュメントがこのドキュメントに取って代わることがありえます。現行のW3Cの刊行物および技術報告の最新の改訂版のリストは、http://www.w3.org/TR/のW3C技術報告インデックスにあります。
owl:AllDifferent
owl:AnnotationProperty
owl:Class
owl:DatatypeProperty
owl:FunctionalProperty
owl:InverseFunctionalProperty
owl:Nothing
owl:Ontology
owl:Restriction
owl:SymmetricProperty
owl:Thing
owl:TransitiveProperty
owl:allValuesFrom
owl:backwardCompatibleWith
owl:cardinality
owl:complementOf
owl:differentFrom
owl:disjointWith
owl:distinctMembers
owl:equivalentClass
owl:equivalentProperty
owl:imports
owl:intersectionOf
owl:inverseOf
owl:maxCardinality
owl:oneOf
owl:sameAs
owl:someValuesFrom
owl:unionOf
ウェブ・オントロジー言語(OWL)の定義の一部として、ウェブ・オントロジー・ワーキンググループは一組のテストケースを提供します。このドキュメントでは、これらのテストケースを提示します。これらは、このドキュメントが属している[OWL Semantics and Abstract Syntax]で示されているOWLの規範的な定義に対し、例を提供し、明確化するためのものです。
このドキュメントは、W3Cウェブ・オントロジー・ワーキンググループによって作成されているOWL(ウェブ・オントロジー言語)の記述の構成要素の1つです。[OWL Overview]のドキュメント・ロードマップの項は、それぞれの異なる部分について、また、それらがどのように適合し合うかについて記述します。
このドキュメントは、使用した各種のテスト、およびテストを提供する形式について記述しています。テストの集合の代替形式が提供されます。これらは、できればエクストリーム・プログラミング[XP]のような、テスト駆動開発プロセスの一部として、テスト・ハーネス中のOWL開発者が使用するのに適するように意図されています。これらの代替形式の一部として使用されるmanifest
(マニフェスト)ファイルの形式が記述されています。
規範外の付録では、このドキュメントは、これらのテストの作成および承認のプロセスについても記述しています。
このドキュメントでは、[OWL Semantics and Abstract Syntax]に関し、様々な適合レベルが定義されています。
しかし、テストケースは、いくつかの重要な問題について語らないため、OWLの適合テスト・スイートにはなりません。このドキュメントをOWLの完全な仕様と見なすことはできません。
テストは、問題解決策を示し、OWL名前空間の用語の使用法と意味を示します。
他にも様々なテストがあります。文献や既存システムに起因するものもあれば、OWL Fullの完全な実装の困難さを示す意図のものもあります。
テストケースの一部として含まれている成果物:
注: 他のファイルは、成果物の一部ではないウェブサイトのトップURL下にあります。
成果物のうち、規範的なテストは、このドキュメントに含まれているもののみです。他のすべての成果物は参考情報です。さらに、勧告ドキュメントは、適合ステートメント、テスト・データ(RDF/XML[RDF Syntax]で指定されている)、サポートしているドキュメンテーションを除いて参考情報です。
ウェブ・オントロジー・ワーキンググループは、このドキュメントのほとんどのテストが適切に実装されるのを見てきました。しかし、効果的な実装が著しく困難なものもあります。これらは、エキストラ・クレジット・テストとラベル付けされています。このようなテストは、OWLのセマンティクスを示しますが、優れた相互運用性を提供できるほど広範囲には実装されない機能を使用しているかもしれません。
エキストラ・クレジット・テストの一般的な例は、すべてのOWL Fullの非含意性および整合性のテストがエキストラ・クレジット・テストであるというものです。これは、通常のOWL Fullの実装は、含意性を証明するけれども非含意性を証明することができないという理由によります。
このドキュメント内ではエキストラ・クレジット・テストを「EC」とラベル付けし、マニフェスト・ファイルではEXTRACREDITというステータスでラベル付けしています。
この名前は、そのようなテストを成功裡に実行するような実装は期待できず、成功するものはエキストラ・クレジットを獲得することを示しています。
各テストは1つ以上のRDF/XMLドキュメントおよびManifest
ファイルで構成されます。1つのドキュメントのテストは、そのドキュメントのある性質を示します(1つのOWL知識ベースとして見た場合)。2つ以上のドキュメントのテストは、その2つのドキュメントの関係を示します(複数のOWL知識ベースとして見た場合)。
Manifest
ファイルは、ManifestNNN.rdf
と名付けられています(NNN
にはテスト番号が入る)。これには、テスト・タイプを示し、テストを記述している(RDFによる)メタデータが含まれています。
さらに、メタデータは、各テストや各テストの各ドキュメントに適した言語レベルを示します。各RDF/XMLドキュメントに対し、[OWL Semantics and Abstract Syntax]の構文規則で規定されているように、OWL Lite、OWL DLあるいはOWL Fulであるといった、1つの言語レベルが示されます。セマンティック・テストに対し、1~2つの言語レベルが示されます。セマンティック・テストに対し、言語レベルOWL Fullが示される場合、そのテストは[OWL Semantics and Abstract Syntax]のRDF-Compatible Model-Theoretic Semanticsに準じています。セマンティック・テストに対し、言語レベルOWL LiteあるいはOWL DLが示されている場合、そのテストは[OWL Semantics and Abstract Syntax]のDirect Model-Theoretic Semanticsに準じています。セマンティック・テストに対し、言語レベルOWL Liteが示されている場合、そのテストはOWL Liteサブ言語の機能のみを使用します。
テストのうちのいくつかは、あるデータ型が[OWL Semantics and Abstract Syntax]のデータ型マップでサポートされていること、またはされていないことを要求します。これらはテストで示されます。テストで使用される他のデータ型も示され、これらがデータ型マップでサポートされていてもいなくても、テストは適合しています。[XML Schema Datatypes]のデータ型xsd:integer
、xsd:string
は、サポートされていなければならないため、使用されたり要求される場合であっても示されません。
これらのテストは1つのドキュメントを使用します。これはbadNNN.rdf
と名付けられています。このドキュメントは、OWL勧告では定義されていないローカル名を持つOWL名前空間の使用を含んでいます。OWL構文チェッカーは警告を与えるべきです(SHOULD)。
注: 選択されたローカル名はDAML+OIL名前空間で定義されているため、これらのテストはDAML+OIL[DAML+OIL]からのマイグレーションに役立つことを目的としています。
これらのテストは2つのドキュメントを使用します。1つはpremisesNNN.rdf
と名付けられており、もう1つはconclusionsNNN.rdf
と名付けられています。conclusions
(結論)はpremises
(前提)によって含意されます。 このような含意はOWLセマンティックス[OWL Semantics and Abstract Syntax]で定義されています(OWL Full含意も参照)。
これらのテストは2つのドキュメントを使用します。1つはpremisesNNN.rdf
と名付けられており、もう1つはnonconclusionsNNN.rdf
と名付けられています。nonconclusions
はpremises
によって含意されません。このような含意はOWLセマンティクス[OWL Semantics and Abstract Syntax]で定義されています(OWL Full含意も参照)。
テスト・インポート-002は、例外的に3つめのドキュメントを含んでいます。
これらのテストは1つのドキュメントを使用します。これはconclusionsNNN.rdf
と名付けられています。conclusions
は、OWLセマンティクス[OWL Semantics and Abstract Syntax]から導き出されます。これらのテストは、前提が空である含意テストの特例です。
これらのテストは1つのドキュメントを使用します。これはconclusionsNNN.rdf
と名付けられています。これらは、トゥルー・テストの特例です。conclusions
は、OWL Fullセマンティクス[OWL Semantics and Abstract Syntax]から導き出されます。このテストは、OWL Full自身のプロパティーおよびクラスを記述するためにどのようにOWL Fullを使用することができるかを示すことを目的としています。
これらのテストは1つのドキュメントを使用します。これはconsistentNNN.rdf
と名付けられています。ドキュメントは、OWLセマンティクス[OWL Semantics and Abstract Syntax]で定義されているように整合性があります(OWL Full整合性も参照)。
これらのテストは1つのドキュメントを使用します。これはinconsistentNNN.rdf
と名付けられています。ドキュメントは、OWLセマンティクス[OWL Semantics and Abstract Syntax]で定義されているように整合性がありません(OWL Full整合性も参照)。
これらのテストは2つ以上のドキュメントを使用します。1つはpremisesNNN.rdf
と名付けられており、もう1つはconclusionsNNN.rdf
と名付けられており、残りはsupportNNN-A.rdf
のような名前を持っています。support
(サポート)ドキュメントは、premises
ドキュメントのインポート閉包に含まれています。conclusions
は、premises
のインポート閉包によって含意されます。このような含意はOWLセマンティクス[OWL Semantics and Abstract Syntax]で定義されています(OWL Full含意も参照)。
これらのテストは2つドキュメントを使用します。1つはimportsNNN.rdf
と名付けられており、もう1つはmainNNN.rdf
と名付けられています。これらのテストはowl:imports
とmain
ドキュメントのサブ言語レベルの間の対話を示します。
OWL Fullドキュメントは任意のRDF/XMLドキュメント[RDF Syntax]です。
OWL DLドキュメントは、対応するRDFグラフ[RDF Concepts]のインポート閉包[OWL Semantics and Abstract Syntax]がRDFグラフ形式のOWL DLオントロジーであるようなOWL Fullドキュメントです。
OWL Liteドキュメントは、対応するRDFグラフ[RDF Concepts]のインポート閉包[OWL Semantics and Abstract Syntax]がRDFグラフ形式のOWL LiteオントロジーであるようなOWL Fullドキュメントです。
Dに対応する抽象オントロジーOをIが満たすようなTに関して、ある抽象OWL解釈Iが存在する場合に限り、OWL LiteあるいはOWL DLドキュメントDは、データ型マップTに関してOWL DLで整合性があり、その場合、Oは分離された語彙を持ちます([OWL Semantics and Abstract Syntax]を参照)。
Dに対応するRDFグラフを含む、あるインポート閉包コレクションにおけるすべてのRDFグラフをIが満たすようなTに関して、あるOWL Full解釈Iが存在する場合に限り、OWL FullドキュメントDは、データ型マップTに関してOWL Fullで整合性があります。
この項では、[RFC 2119]にある、しなければならない(MUST)、してはならない(MUST NOT)、すべきである/する必要がある(SHOULD)、および、することができる/してもよい(MAY)という語句を使用します。
OWL構文チェッカーは、ドキュメントを入力として受け入れ、Lite
、DL
、Full
、Other
(その他)のうちの1つの語句を返します。
返し値は、以下と適合しなければなりません(MUST)。
さらに、OWL構文チェッカーは、[RDF Schema for OWL]にあるものを除いて、ドキュメントに対応するRDFグラフ[RDF Concepts]が、接頭辞http://www.w3.org/2002/07/owl#
から始まる任意のURI参照を使用する場合、警告を出すべきです(SHOULD)。
OWL構文チェッカーは、インポート閉包の演算中に生じるネットワーク・エラーを報告すべきです(SHOULD)。
OWL整合性チェッカーは、ドキュメントを入力として受け入れ、Consistent
(整合)、Inconsistent
(矛盾)、Unknown
(不明)のうちの1つの語句を返します。
OWL整合性チェッカーは、インポート閉包の演算中に生じるネットワーク・エラーを報告すべきです(SHOULD)。
OWL整合性チェッカーは、そのデータ型マップ[OWL Semantics and Abstract Syntax]でサポートされているデータ型を決定する手段を提供しなければなりません(MUST)(例えば、それがサポートしているドキュメンテーションでそれらをリストアップすることによって)。
OWL整合性チェッカーは、モデル理論[OWL Semantics and Abstract Syntax]を決定する手段を提供しなければならず(MUST)、それは、(直接モデル理論セマンティクスあるいはRDF互換モデル理論セマンティックスのどちらか)を使用します(例えば、それがサポートしているドキュメンテーションで)。
OWL整合性チェッカーは、信頼できるものでなければならず(MUST)、チェッカーのデータ型マップに関し、入力ドキュメントに整合性がある場合にのみConsistent
を返し、入力ドキュメントが整合性がない場合にのみInconsistent
を返さなければなりません(MUST)。
入力ドキュメントが、OWL整合性チェッカーのデータ型マップでサポートされていないデータ型を使用する場合、警告を出すことができます(MAY)。
OWL整合性チェッカーは、十分な(しかし有限の)資源(CPUサイクルおよびメモリ)があり、ネットワーク・エラーがないという前提で、常にConsistent
あるいはInconsistent
のいずれかを返す場合は、完結しています(complete and terminating)。OWL LiteおよびDLに対しては、完結する整合性チェッカーを構築することが可能であり(言語は決定可能である)、OWL fullに対しては、完結する整合性チェッカーを構築することは不可能である(言語は決定不能である[Practical Reasoning])ことがわかりました。
OWL整合性チェッカーのデータ型マップは、少なくとも[XML Schema Datatypes]のxsd:integer
、xsd:string
を最小限にサポートしなければなりません(MUST)。
OWL整合性チェッカーは、Unknown
を返すべきではありません(SHOULD NOT)。Unknown
は、必要となることもありますが、望ましいレスポンスでありません。
OWL整合性チェッカーには4つの異なる適合クラスが定義されています。
OWL Lite整合性チェッカーは、OWL Liteドキュメントを入力として受け入れるOWL整合性チェッカーで、直接モデル理論セマンティクスを使用します。
OWL DL整合性チェッカーは、OWL DLドキュメントを入力として受け入れるOWL整合性チェッカーで、直接モデル理論セマンティクスを使用します。
OWL Full整合性チェッカーは、OWL Fullドキュメントを入力として受け入れるOWL整合性チェッカーで、RDF互換モデル理論セマンティクスを使用します。
OWL Full整合性チェッカーのデータ型マップは、[RDF Concepts]のrdf:XMLLiteral
もサポートしなければなりません(MUST)。[RDF Semantics]を参照。
完全なOWL Lite整合性チェッカーは、完結するOWL Lite整合性チェッカーです。
注: OWL DL整合性チェッカーがOWL DLドキュメントには整合性があることを示しても、OWL Full整合性チェッカーは同じドキュメントが矛盾していることを示すことができます(例えば、テストThing-005とThing-004や、AnnotationProperty-001とAnnotationProperty-002を比較してください)。あらゆるOWL DL整合性チェッカーはOWL Lite整合性チェッカーでもあります。
注: 資源の限界を超えた時には、完全なOWL Lite整合性チェッカーは、OWL Liteドキュメントに対しUnknown
を返すことができます(MAY)。
注: この項の「完全」(complete)という語句の用法は、記述論理コミュニティーの慣例に従っています。他のいくつかのコミュニティーでは、「完全」という語句は、論理推論システムによる矛盾の検知を指す、より弱い意味で使用されます。(訳注:「complete and terminating」という語句を「完結する」と訳しています。)
テスト・ファイルのいずれかと共に提示された時には、OWL構文チェッカーは指示された結果を返さなければなりません。これはエキストラ・クレジット・テストを含んでいます。
OWL整合性チェッカーは、適切な整合性テストおよび矛盾性テストを用いてテストすることができます。適切なテストとは、レベルが適切なもので、チェッカーはテストに対する適切なデータ型をサポートします。テストのレベルは、使用されているセマンティック理論を示し、ファイルのレベルと異なっているかもしれません。例えば、テストThing-004は、OWL DL整合性テストとしては整合性がありますが、OWL Full整合性テストとしては矛盾しているOWL DLファイルを含んでいます。
以下の両方を満たす場合、OWL整合性チェッカーは、テストに対する適切なデータ型をサポートします。
適切なデータ型をサポートするOWL Lite整合性チェッカーは、OWL Lite整合性テストからのファイルと共に提示された時には、Consistent
あるいはUnknown
を返さなければなりません。
適切なデータ型をサポートするOWL DL整合性チェッカーは、OWL DLあるいはOWL Lite整合性テストからのファイルと共に提示された時には、Consistent
あるいはUnknown
を返さなければなりません。
適切なデータ型をサポートするOWL Full整合性チェッカーは、OWL Full整合性テストからのファイルと共に提示された時には、Consistent
あるいはUnknown
を返さなければなりません。
対応する矛盾性テストは、Inconsistent
あるいはUnknown
を返さなければなりません。
完全なOWL Lite整合性チェッカーは、サポートされていないデータ型の使用のいかんを問わず、OWL Lite整合性あるいは矛盾性テストにおいてUnknown
を返すべきではありません。
上記の制約は、エキストラ・クレジット・テストにも当てはまります。正しい応答(つまり、Unknown
以外)を返す整合性チェッカーは、エキストラ・クレジットを獲得します。
Manifest
ファイルは、RDFテストケース[RDF Tests]用に開発されたRDFスキーマに従います。
これは、http://www.w3.org/2002/03owlt/testOntologyにある、OWLテスト・オントロジーで宣言されている少数の新しいプロパティーおよびタイプによって強化されます。
特に、それぞれのテストは、それ自身のManifest
ファイルを持っており、フラグメント識別子test
を含んだManifest
ファイルのURLから成るURI参照で識別できます。
テストは、以下のrdf:type
のうちの1つを明示します。
otest:NotOwlFeatureTest
otest:PositiveEntailmentTest
otest:NegativeEntailmentTest
otest:TrueTest
otest:OWLforOWLTest
otest:ConsistencyTest
otest:InconsistencyTest
otest:ImportEntailmentTest
otest:ImportLevelTest
(otest
はhttp://www.w3.org/2002/03owlt/testOntology#
に結び付き、rtest
はhttp://www.w3.org/2000/10/rdf-tests/rdfcore/testSchema#
に結び付きます。)
テストの原作者の名前は、dc:creator
プロパティーを使用して示されます([Dublin Core]を参照)。
テストの記述は、rtest:description
プロパティーの値として(XHTMLマークアップ[XHTML]を使用して)示されます。
OWL課題リスト[OWL Issues]からの課題は、もしあれば、rtest:issue
プロパティーの値です。
OWL名前空間からの、適切な言語機能は、もしあれば、otest:feature
プロパティーの値です。
テスト・データ付きの入力ドキュメントは、rtest:inputDocument
プロパティーの値としてか、rtest:premiseDocument
およびrtest:conclusionDocument
の両方の値として示されます。インポート含意テスト、インポート・レベル・テストおよびtest imports-002に対するサポート・ファイルは、otest:importedPremiseDocument
の値として示されます。
ファイルとテストの両方に関連付けられている適合性のレベルは、otest:level
プロパティーで示されます。各ドキュメントに対する値は、otest:Full
、otest:DL
、otest:Lite
、otest:Other
のうちの1つです。各テストは、明示的に1~2のレベルに関連付けられています。otest:Lite
に関連付けられている場合、暗黙的にotest:DL
に適しています。
テストで使用されるデータ型は、otest:usedDatatype
プロパティーで示されるか、そのサブプロパティー(otest:supportedDatatype
あるいはotest:notSupportedDatatype
)のうちの1つで示されます。これらは、使用されているデータ型マップによって、それぞれデータ型がサポートされているか、サポートしない場合にのみ、テストが有効であるということを示します。
テストのrtest:status
は、付録Aのプロセスを反映します。これは、以下のレベルの1つとして示されます。
目次
owl:AllDifferent
owl:AnnotationProperty
owl:Class
owl:DatatypeProperty
owl:FunctionalProperty
owl:InverseFunctionalProperty
owl:Nothing
owl:Ontology
owl:Restriction
owl:SymmetricProperty
owl:Thing
owl:TransitiveProperty
owl:allValuesFrom
owl:backwardCompatibleWith
owl:cardinality
owl:complementOf
owl:differentFrom
owl:disjointWith
owl:distinctMembers
owl:equivalentClass
owl:equivalentProperty
owl:imports
owl:intersectionOf
owl:inverseOf
owl:maxCardinality
owl:oneOf
owl:sameAs
owl:someValuesFrom
owl:unionOf
これらのテストは、文献(例えば、[Heinsohn et al.])によるものか、Network Inferenceによるテスト・スイートとして知られているものか、ワーキンググループによって開発されたものかのいずれかです。
この項では、以下の名前空間の接頭辞が追加使用されています。
oiled
http://oiled.man.example.net/test#
名前空間宣言に対して使用されるN3構文[N3]では、これは以下のようになります。
名前空間: |
@prefix oiled: <http://oiled.man.example.net/test#> . |
これらのテストは他のいかなるカテゴリーにも当てはまらないものです。[OWL Guide]からのものもあれば、OWLの多様な局面を反映するものもありますが、ワーキンググループが正式に扱った課題ではありません。
いかなる実装もこの項のテストをうまく実行することは期待できず、うまく実行するものはエキストラ・クレジットを獲得します。
実装が完全に解釈することを期待するのが妥当でない事柄についても言及しうることを示すという明確な目標のもと、[OWL Semantics and Abstract Syntax]で指定されているように、OWLのセマンティクス(特にOWL Full)を例示するのが意図です。
この付録では、このテスト・スイートの開発中に使用されたプロセスについて記述します。
テストはワーキンググループのメンバーが作成します。 これを容易にするために、(オプションの)テスト・エディタが提供されます。その後に、テストはテストのウェブサイト上のしかるべきディレクトリに置かれます。 これは、W3C CVSサーバ[W3C CVS]へのCVSアクセスを使用して行われます。
テストが作成されると"PROPOSED"
(提案)というステータスが与えられます。テストの作成者は新しいテストのディレクトリに、以下を明記したマニフェスト・ファイルを作成します。
"PROPOSED"
というステータス。週1回の電話会議や対面による会議において、議長の裁量で個々のテストやテスト群がワーキンググループにかけられます。
テストは、ワーキンググループの決定で承認され、'APPROVED'(承認)や'EXTRACREDIT'(エキストラ・クレジット)のステータスが付されます。
ワーキンググループは、他の要素と同様に、好評なテストそして/または実装報告を考慮に入れることができます。
ワーキンググループがテストを承認すれば、テストケース・ドキュメントに含まれます。
ワーキンググループはテストを拒否することができ、その場合、ステータスは"REJECTED"
(拒否)に変わります。これは、テストの逆が受け入れられたことを示すものではありません。理論的には正しいテストを拒否する、スタイル上やその他の理由があるかもしれません。
ワーキンググループには、このプロセスとの適合性やOWL草案との適合性とは無関係にテストを承認または拒否する全面的な裁量権があります。
新情報を踏まえて、さらに議長の裁量で、ワーキンググループは、あらゆるテストケースに関するあらゆる事前決定をレビューすることができます。"OBSOLETED"
(廃止)のステータスはテストが適切ではなくなった場合に使用できます。
編集者は、承認済みおよび提案済みテストに対して編集上の変更を加えることができます。これは以下を含みます。
以下のスタイル上の規則にはプレファランスがあります。 これらの規則は、いずれも義務ではありませんが、テストの作成者は、これらの規則に従えばワーキンググループの合意を得やすいということに注意べきです。
テストは、通常、RDF/XMLで表されるべきです。
以下のRDF/XML文法規則[RDF Syntax]は使用されません。
xml:base
の使用テストとマニフェスト・ファイルには、ドキュメント要素にxml:base
属性[XMLBASE]が含まれているべきです。これは、実際に検索可能な、ドキュメントのより望ましいURLを示すべきです。
相対URIを含まないファイルは、xml:base
属性を省略することができます。
テストおよびマニフェスト・ファイルは、".rdf"
接尾辞を使用すべきです。URIはそうするべきではありません。xml:base
宣言に使用されるURLは接尾辞を持ちません。
example
領域の使用テストおよびマニフェスト・ファイルのすべてのURLは、最後から2番目の要素として"example"
を付したドメイン名を使用するものを除き(例えば、"http://www.example.org/ontology#prop"
)、検索可能なウェブ資源であるべきです。
以下の著作権宣言がXMLコメントとして全てのテスト・ファイルに含まれるべきです。
<!-- Copyright World Wide Web Consortium, (Massachusetts Institute of Technology, European Research Consortium for Informatics and Mathematics, Keio University). All Rights Reserved. Please see the full Copyright clause at <http://www.w3.org/Consortium/Legal/copyright-software.html> $Id: Overview.html,v 1.9 2004/02/10 15:29:21 sandro Exp $ -->
記述は、
記述は、XMLコメントとして各テスト・ファイルに含まれ、RDFコンテンツとしてマニフェスト・ファイルに含まれるべきです。
主として、あるOWLプロパティーやクラスに関連するテストは、クラスのそのプロパティーのローカル名を使用して命名したディレクトリに入れるべきです。
さもなければ、ある課題に関連するテストは、課題番号をOWLの課題リスト[OWL Issues]から抜き出してI3.4
のように命名したディレクトリに入れるべきです。
各ディレクトリは、001
から連番付けされたテストを含むべきです。
単一ディレクトリ内の2つのテストが同じ番号であってはなりません。
テストの各ファイルは、名前の終わりに(接尾辞の前に)テストの番号があるべきです。
残りのファイル名は、テスト・タイプの規則に従うべきです。
注意: ディレクトリ内の承認済みテストは、必ずしも近接した番号でなければならないということはないでしょう。
注意: これは、RDFコア・テストケースのナンバリング規則とは異なっています。
承認済みテストと提案済みテストは両方とも、RDF/XML(その規範形式である)およびトリプル形式の両方で示されます。これは、[RDF Tests]で記されているN-triplesと同様に、トリプルを主語、述語と目的語で記載します。以下の規則が追加使用されています。
http://www.w3.org/2002/03owlt/
に関連しています。以下では、下記の名前空間接頭辞が使用されます。
rdf
http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#
rdfs
http://www.w3.org/2000/01/rdf-schema#
owl
http://www.w3.org/2002/07/owl#
xsd
http://www.w3.org/2001/XMLSchema#
first
#
で連結された最初のファイルのURL。最初のファイルは、premisesNNN.rdf
、badNNN.rdf
、consistentNNN.rdf
、inconsistentNNN.rdf
、またはimportsNNN.rdf
(テスト・タイプによって異なる)という名前のものです。(トゥルー・テストやOWLテストに対するOWLには使用されない。)second
#
で連結された2番目のファイルのURL。2番目のファイルは、conclusionsNNN.rdf
、nonconclusionsNNN.rdf
、またはmainNNN.rdf
(テスト・タイプによって異なる)という名前です。名前空間宣言に使用されるN3構文[N3]では、最初の4つは以下の通りに表示されます。
名前空間: |
@prefix rdf: <http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#> . @prefix rdfs: <http://www.w3.org/2000/01/rdf-schema#> . @prefix owl: <http://www.w3.org/2002/07/owl#> . @prefix xsd: <http://www.w3.org/2001/XMLSchema#> . |
他の名前空間がテスト・データで明示されています。
Jeremy Carrollは、イタリアのW3Cの事務所と、Jeremyが客員研究員を務めるIstituto di Scienza e Tecnologie dell'Informazione "Alessandro Faedo"(Consiglio Nazionale delle Ricerche(イタリア学術会議)の一部)での受け入れに対し、Oreste Signore氏に感謝いたします。
以下の方々は、このドキュメントにテストを提供してくださいました。Sean Bechhofer、Ian Horrocks、Peter F. Patel-Schneider、Jeff Heflin、Dan Connolly、the Guide editors、Jonathan Borden、Charles White、Martin Durst, Masayasu Ishikawa、Jim Hendler、Herman ter Horst、Dave Reynolds、および編集者。
Ian Horrocksは、このドキュメントの適合性の項に貢献してくださいました。
Sandro Hawkeは、テスト結果のページを作成してくださり、勧告候補段階の間に非常に役に立ちました。
我々は、勧告候補の間にテストの報告やその他のフィードバックを下さった以下の方々に感謝します。Ken Baclawski、Sean Bechhofer、Ian Dickinson、Michael Grove、Sandro Hawke、Ian Horrocks、Minsu Jang、Gary Ng、Mehrdad Omidvari、Bijan Parsia、Peter F. Patel-Schneider、Dave Reynolds、Rob Shearer、Evren Sirin、Charles White、およびYouyong Zou。我々は、これらの報告書を作成するシステムの開発を手助けしてくださった他の多くの方々に感謝します。
このドキュメントは、総じてウェブ・オントロジー・ワーキンググループ内で積み重ねられた議論の結果です。このワーキンググループのメンバーは、Yasser alSafadi、Jean-Francois Baget、James Barnette、Sean Bechhofer、Jonathan Borden、Stephen Buswell、Jeremy Carroll、Dan Connolly、Peter Crowther、Jonathan Dale、Jos De Roo、David De Roure、Mike Dean、Larry Eshelman、Jerome Euzenat、Tim Finin、Nicholas Gibbins、Sandro Hawke、Patrick Hayes、Jeff Heflin、Ziv Hellman、James Hendler、Bernard Horan、Masahiro Hori、Ian Horrocks、Jane Hunter、Rudiger Klein、Natasha Kravtsova、Ora Lassila、Deborah McGuinness、Enrico Motta、Leo Obrst、Mehrdad Omidvari、Martin Pike、Marwan Sabbouh、Guus Schreiber、Noboru Shimizu、Michael K. Smith、John Stanton、Lynn Andrea Stein、Hermanter Horst、David Trastour、Frank van Harmelen、Bernard Vatant、Raphael Volz、Evan Wallace、Christopher Welty、Charles White、Frederik Brysse、Francesco Iannuzzelli、Massimo Marchiori、Michael Sintek、およびJohn Yanosyです。
この項では、このドキュメントとOWLテストケース勧告案との間の変更点を示します。
OWLとRDF Semanticsとの整合性を保つため、データ型理論という用語の代わりに、データ型マップという用語を使用します。これは、miscellaneous-204、miscellaneous-205、およびI5.8-012のテストの記述などで幾度か発生しました。最終的には、これらは他の軽微な書き換えが必要となる結果的となりました。
RDFおよびOWLドキュメントへの参照をアップデート。
4.2.2項の終わり近くに段落を追加し、OWL Full整合性チェッカーのデータ型マップ(RDFセマンティクスからのデータ型マップ)が、rdf:XMLLiteralに対するエントリーを含んで「いなければならない」(MUST)ということを明確にしました。これにより、PRドキュメントで既に暗示されていた要件が明白になります。また、リンクを変更することにより、OWL Full整合性ドキュメントの定義におけるデータ型マップがRDFセマンティクスで定義されているとおりであることを明確にしました。
結果的に、RDFセマンティクスへの参照を明示しました(この参照は、OWLテスト勧告案で暗示されていた)。
rdf:XMLLiteralはOWL Fullで必要なデータ型であるため、OWL Fullに適用できないテストmiscellaneous-205のメタデータの誤りを修正しました。 この変更は、テストのヘッダーから「Full」という語句が削除された形で見えます。
OWLテストの勧告候補および勧告案におけるこの誤りは比較的害がないようでした。
[email protected]
ftp://dimacs.rutgers.edu/pub/challenge/satisfiability/doc/satformat.texにあります。
May 8, 1993.