Sustainable Development Goal 3

すべての人に健康と福祉を

健康と福祉へのアクセスは、人権であり、人類の繁栄の基礎となるものです。しかし、途上国の住民や、なかでも女性や子供など最も弱い立場に置かれた人々は、十分な支援が受けられない状況にいます。人々の健康状況を根本から改善するためには、病気の予防、徹底した予防接種プログラムの支援、性と生殖に関するケアや教育への平等なアクセスを提供する、ユニバーサルで安価な医療制度の確立が求められます。

現在、世界の人口の半数以上が都市部に住んでいることから、国連大学では、都市部の健康ガバナンスに特に重点を置き、非伝染性疾病(NCDs)の増加を食い止め、懸念される病原菌の発生への対応を強化する研究を行っています。また、自然災害による健康被害の減少にも重点的に取り組んでいます。このほか、安全な水の供給や下水設備の整備など、健全な開発にとって極めて重要な要素について評価し、これらが今後の福祉政策の中で確実に強化されるよう取り組んでいます。

研究者からのメッセージ

ラバーニャ・ビジャヤシンガム

国連大学 グローバルヘルス研究所 (UNU-IIGH)
ポスドク・フェロー

「保健医療へのアクセスは、残念ながら今なお、ジェンダーと所得水準によって左右されます。私の研究では、学際的で分野横断的な視点を用いて、保健医療へのアクセス、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、保健医療財政、世界の保健医療プログラムの策定においてジェンダーとジェンダー不平等が及ぼす影響について取り組んでいます」

クラウディア・アブレウ・ロペス

国連大学 グローバルヘルス研究所(UNU-IIGH)
リサーチ・フェロー

「私の研究では、デジタル技術がジェンダー格差をなくすのにどのように役立つか、またすべての人の健康とウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好な状態)をいかに促進するかについて取り組んでいます」

ミカエラ・ヴァノレ

国連大学 マーストリヒト技術革新・経済社会研究所(UNU-MERIT)
リサーチャー

「移動は、自分のスキルを高め、働きがいのある仕事を見つけ、さらに健康とウェルビーイングを向上させるために、世界中の人にとって重要な戦略です。移住はSDGsのいくつかの目標にまたがるテーマであり、移住することで開発を進める可能性を高めるような政策を促すよう、研究を進めています」

注目のプロジェクト

水に関連した健康リスクへの対応

世界では、特に人道的な危機にさらされている人々が、清潔な水と衛生設備へアクセスできず深刻な影響を受けています。このプロジェクトでは、水に関する健康問題を様々な角度から研究し、医療システムのレジリエンス向上を図っています。

COVID-19に関するエビデンス、政策、施策

国連大学の「COVID-19に関するエビデンス、政策および施策の追跡プラットフォーム:EPIC Tracker)」は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を封じ込めるために世界各国でとられた健康・経済・社会・コミュニティに関する措置について、包括的なデータをオンラインで一覧できるツールです。社会のあらゆるレベルに効果が及ぶ政策や公共セクターによる措置をまとめています。

ジェンダーに基づく暴力の撲滅とSDGsの達成

このプロジェクトでは、ジェンダーに基づく暴力の防止と対応に関する革新的なアプローチを試験的に実施しています。有効な策とそうでない策についての調査結果をもとに、ジェンダーに基づく暴力の防止政策を改善するために寄与します。

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