Sustainable Development Goal 14

海の豊かさを守ろう

地球表面の4分の3を覆う海は、地球の自然システムの原動力です。しかし気候変動や汚染、乱獲、沿岸生息地の消失による脅威は、海と人間との繊細なバランスを大きく揺るがしています。

国連大学の研究は、人と海洋の関係性・相互の繁栄の確保を目的とし、科学者や資源管理に携わる人々、政策立案を行う担当者を対象に漁業トレーニングプログラムを開催しています。プログラムでは、途上国(小島嶼開発途上国)の生活向上、アフリカの小規模水産加工業の改善、欧州連合の遠洋漁業における持続可能性と利益の両立など、実践に役立つ学びを提供しています。また、漁業に関する最新の知見と伝統的な海洋環境の管理方法から得られた知識を融合させ、海洋や沿岸の生息環境を支え、海洋資源の持続可能な利用を促すのに役立っています。

Left Out to Dry? Gender and Fisheries on Lake Tanganyika
Pétur Waldorff / UNU-GEST

研究者からのメッセージ

Zita Sebesvari

ジータ・セベスバリ

国連大学 環境・人間の安全保障研究所
(UNU-EHS)
所長代理

「河川デルタは、世界全体で3億6,000万人の人々が暮らす肥沃で人口の多い地域です。その一方、気候変動のホットスポットでもあり、洪水やサイクロン、塩水侵入といった災害の危険にさらされています。河口デルタという重要な地域とそこを故郷とする人たちのために、研究によってこうしたリスクを低減させていきたいと考えています」

Evonne Yiu

イヴォーン・ユー

国連大学 サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)
リサーチ・フェロー

「沿岸地域の海洋生態系の維持には、漁業資源の保全と持続可能な利用が鍵となります。漁業従事者が海の管理者であるのはもちろんですが、私は、あらゆる人にできること・果たすべき役割があると考えています。だからこそ、多数のステークホルダーが連携して沿岸地域コミュニティの生計を維持し、海の健康を守る取り組みに焦点を当てて研究しています」

マンズール・カディル

国連大学 水・環境・保健研究所(UNU-INWEH)
アシスタント・ディレクター

「水危機と気候変動は、その影響という点でグローバルリスクのトップ5に入っています。私の研究では水不足に取り組む一方で、水が不足している地域では限られた水資源への依存が高まり続けていることから、食料生産、気候変動への適応、そして持続可能な開発のために従来とは異なる水資源の持続的な開発に重点を置いています」

注目のプロジェクト

小島嶼開発途上国のブルー・グロース・イニシアチブ

小さな島で国土が構成されている途上国(小島嶼開発途上国)は、特に気候変動の影響を受けやすい国です。しかしこれらの国には、海洋資源を基にした経済「ブルーエコノミー」を構築していける大きな可能性があります。このイニシアチブでは、漁業科学者と政策決定者を対象とした能力開発と研究活動を進め、海事分野の成長を促進しています。

自然資本と生態系サービスの予測と評価

このプロジェクトは、社会生態システムを統合した方法で、日本における陸地や海洋の自然資本やエコシステム・サービス、ガバナンスなどを評価しています。

UNU-IASいしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット

国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)の研究ユニットは、石川県金沢市を拠点とし、生物資源や文化的資源の一貫性のある保全と持続可能な利用のための政策を開発しています。地域の幅広いステークホルダーやパートナーと密接に協力してSDGsのローカライゼーションに取り組み、生物多様性条約事務局、国連食糧農業機関(FAO)、およびユネスコとの国際プロセスに参加しています

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