出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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漢字

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字源

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  • 形声。「」+音符「 /*LU/[字源 1]。「みち」を意味する漢語 /*luuʔ/}を表す字。
    • 金文にある「」+「」+「」の字体を根拠にして「異族の首を携えて祓い清めたところ」を指すという説がある[字源 2]が、「首」を「 /*LU/」と入れ替えた異体字の存在[字源 3]や字音が示す通り「首」は形声文字の音符であるため「首」という文字の意味とは関係がなく、さらに「又」は「 (人の足)」の崩れた形に由来するため「又」という文字の意味とも関係がなく、誤った解釈である[字源 4]

金文

簡帛文字

小篆

流伝の古文字
西周

戦国時代 説文
(漢)
《六書通》
(明)
  1. 張世超、孫凌安、金国泰、馬如森 『金文形義通解』 中文出版社、1996年、347-350頁。
    黄徳寛主編 『古文字譜系疏証』 商務印書館、2007年、535-536頁。
    林志強等評注 『《文源》評注』 中国社会科学出版社、2017年、446頁。
  2. 白川静 『新訂 字統』 平凡社、2004年、680頁。
  3. 劉釗 『古文字構形学』 福建人民出版社、2006年、88頁。
  4. 嚴一萍 「釈𧗟」 『中国文字』第7冊 1962年。
    張亜初 『商周古文字源流疏證』 中華書局、2014年、790-794頁。

意義

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  1. みち
    • (1)とおりみち
    • (2)人の守るべき条理。「道理」
    • (3)行政区画の名。
  2. いう。
    • (1)いう(言)。かたる。「報道」
    • (2)みちびく。
  3. よる(由)。より(従)。

語源

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  • 派生関係は明らかではないが、チベット語 ལམ​ (道)、ビルマ語 လမ်း (道)、西夏語 𗯘 lo² (踏む)等と同根の可能性がある[語源 1]
    • ビルマ語 လျှောက် (歩く)と関連付ける説もあるが、音の対応には問題がある。
    • モン・ミエン祖語 *kləuX (道)[語源 2]は同根語の可能性がある[語源 3]。借用方向は説明されていない。
    • 原義は「異族の首を携えて祓い清めたところ」であるという説がある[語源 4]が、それを支持する証拠は無い。
  1. 龔煌城 「The System of Finals in Proto-Sino-Tibetan」 『漢蔵語研究論文集』 北京大学出版社、2002年、98-99頁。
  2. Martha Ratliff, Hmong-Mien Language History, Pacific Linguistics, 2010, pp. 91, 117.
  3. Axel Schuessler, ABC Etymological Dictionary of old chinese, University of Hawaii Press, 2006, p. 207.
  4. 白川静 『新訂 字統』 平凡社、2004年、680頁。

日本語

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発音

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名詞

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  1. みち
  2. ドウ)地方行政区画のひとつ。
    1. 古代中国における行政区画。
      1. における最上位の地方行政区画。
      2. 中華民国初期では、最上位の行政区画であるの下の行政区画。
    2. 朝鮮韓国における最上位の行政区画。
    3. 古代日本において、畿内以外のいくつかの令制国をまとめた行政区画。
    4. 現代日本における最上位の行政区画である都道府県のひとつ。北海道
  3. (ドウ、みち)専門化された高度な技芸。

熟語

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中国語

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*

名詞

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dào

  1. みち

動詞

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dào

  1. う。
  2. おもう。

量詞

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dào

  1. ほそながいものの数。
  2. などの数。
  3. 命令問題などの数。
  4. 回数

熟語

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朝鮮語

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*

名詞

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  1. みち
  2. 道理
  3. 国の下位にあり、市・郡・区の上位に位置する韓国と北朝鮮の行政区域。

人名

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  1. 朝鮮人のの一つ。

熟語

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ベトナム語

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名詞

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đạo

  1. みち道路
  2. 宗教

コード等

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点字

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